有田焼が有名だけど、結局その特徴ってなんだろう?

有田焼とは、佐賀県有田町とその周辺地域を中心として生産される磁器で、日本を代表する伝統工芸品です。その歴史は大変古く現在から400年以上も前の1610年代に始まったと考えられており、日本最古の磁器とも言われています。有田焼は薄くて軽い仕上がりで華奢な印象がありますが、1300度の高温で17時間以上もかけて焼成されているため陶器よりも丈夫で耐久性に優れていることが特徴で、磁土と石の粉を混ぜて作られているため、きめ細やかで滑らかな手触りを楽しむことができます。素地が白いことから絵付けにも適しており、カラフルで色鮮やかに描かれている繊細な模様も特徴となっています。

「伊万里」の由来

生産地の有田町は海に接していないため港がなく、伊万里港から出荷されていたことから「伊万里焼」とも呼ばれており、現在では明治時代以降に作られたものを「有田焼」、それ以前に製造されたものを「伊万里焼」と呼んでいます。1610年から1650年代の初期のものは「初期伊万里様式」といい、素地が熱く染付だけの単色で素朴なものが多く、1670年から1690年代のものは「柿右衛門様式」と呼ばれます。柿右衛門様式の磁器はヨーロッパに多く輸出され、宮殿を飾るだけではなくドイツのマイセン窯やフランスのシャンティイ窯などで模倣されていたという歴史があります。17世紀の後半になると「鍋島様式」と呼ばれる上品な作品が作られるようになり、主に贈答品として扱われていました。

さまざまな柄や色

有田焼には、白い素地に釉薬をかけただけの白い磁器の「白磁(はくじ)」、素地に凹凸をつけて模様を浮き出させた「陽刻(ようこく)」、白磁の上から藍色で模様を描き釉薬を塗って焼成した「染付(そめつけ)」、金・銀・赤・黄・緑などの色を使って模様を描いた「色絵(いろえ)」、鉄分を含む釉薬を塗って焼いた青緑色の「青磁(せいじ)」、釉薬に酸化銅を含むため鮮やかな赤色となる「辰砂(しんしゃ)」などの種類があり、世界中から高く評価されています。